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1インタビュー

【移住者紹介】里山の暮らしのなかで。

「田舎暮らしという言葉はあまり好きではないの。
言葉が近いのは、『自然のなかでの暮らし、自然に囲まれた暮らし』よね」。

岡村さんは、一度温めた湯飲みのお湯を移し、鉄急須から温かいお茶を注いでくれた。
その様子をみて私にはもうひとつ、暮らしにまつわる言葉……『丁寧な暮らし』という言葉が頭をよぎった。

公道から私道を少し登った岡村さんの自宅はさまざまな木々に囲まれた『林のなかの家』。

駐車場と家庭菜園用の小さな畑と、可愛いウッドテラスがあり、優しい陽の光が年中注いでいることを想像できた。この日も、テラスから秋の陽の光が紅葉を始めた木々の葉を照らしていた。


「夫とよく登山に行っていたので、自然のなかで暮らしたいと思っていました。夫の故郷は、自然のあるところで、自分たちが食べる程度のお米と野菜を作っていて、自然が遊び相手という場所で生まれたそうです。だから、夫の退職後、都会を出て2人で住む場所を探していました。


福島県だけじゃなくて、本当に各地あちこち行きましたよ。

その中でここを選んだのは、最初は前向きな理由ではなかったんです。

関東近隣の別荘地はたしかに便利で綺麗で魅力的だったけれど別荘と暮らす家は別物。それに、土地の価格を考えると建物を妥協しなきゃいけない。そうやって、現実的に条件の合わないところを消去していったら、ここが残ったんです。

だからこそ身の丈にあった暮らしになったのかもしれないわ。結果的に、バランスがよくなったの。」

昔ながらの鉄の急須でていねいにお茶を淹れる


暮らしを見つめた時に『現実的な場所』としていわしろが候補に入るのは、嬉しいことだ。他の移住者へのインタビューでも、「突飛なモノはないかもしれないが、生きるのに必要なものが揃っていて自然もある。」「最先端という意味では不便な部類だろうが暮らすことに不便すぎない。」という言葉が聞かれた。


庭にはパプリカや唐辛子、だいこん、白菜など多品目な野菜が並ぶ。自家栽培の野菜で食卓が賑わう姿が目に浮かぶ。


「白菜なんかはね、息子のお嫁さんがうんと喜んでくれるの。」と微笑む。

すこしずつ、たくさん。自家栽培の野菜


「ここにきた時は、よく夜空を眺めたわ。星が本当に綺麗に見えるのよ。

夫が先立ってからは、不安になることもあるけれど、まだ、ここに居てしまうのよ。

だから、最近は万が一のことも考えて、前よりも一層ご近所さん付き合いを意識するようになったの。
町内会へも積極的に参加するようにしてて、人と交流できるサロンがあるから楽しいわ。」

目にも鮮やかな唐辛子。自然の恵みの色。


リビングのテーブルには小さな花瓶があり、花が飾ってあった。
「これは山の、自然のりんどう。花は咲いたまま、自然の中にあるのがいちばん美しいという句があるのだけれど、いつも『1本だけ、飾らせてほしい。ごめんなさい』と思いながらお庭から、自然の恵みを頂戴してくるの。」


季節の可憐な花。それだけで部屋の中が華やかに、気持ちが豊かになる。この花が咲いていることに気がつくこと、それを美しいと感じ、1本だけいただこうと思う謙虚さ。岡村さんの暮らしのなんと人間らしく、そして現代の私たちにとって贅沢なことだろう。

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