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「福島くらし&しごとフェア2021 移住 with You」出展レポート(2021.12.18(土)@有楽町)

2021年12月18日(土)・19日(日)、東京・有楽町の交通会館で「福島くらし&しごとフェア2021 移住 with You」が開催されました。福島県内の市町村や移住サポート団体などがそれぞれブースを出し、一般来場者と対面でお話をするという、福島県最大規模の移住と仕事の相談会です。コロナ禍のため、リアル開催は2年ぶりとのこと。

このフェアに「いわしろMaison」が初出展しました。

目次

「福島くらし&しごとフェア2021 移住 with You」

日程2021/12/18(土)、19(日)
開催時間11:00-16:00
開催場所東京交通会館12階 カトレアサロンB
東京都千代田区有楽町2-10-1
参加自治体・参加団体<12/18(土):1日目>
【県北】福島市・伊達市・本宮市・桑折町・大玉村・いわしろMaison(二本松市)・桑折まちづくりネット(桑折町)
【県南】川谷学区を元気にする会(西郷村)
【会津】会津若松市(会津若松市定住・二地域居住推進協議会)・喜多方市・北塩原村・西会津町・湯川村地域おこし支援協議会・三島町・IORI倶楽部(三島町)・金山町・昭和村・会津美里町
【南会津】只見町・南会津町
【その他団体】福島県宅地建物取引業協会・福島求人支援チーム(株式会社パソナ)・ふくしま12市町村支援センター

<12/19(日):2日目>
【県中】郡山市・田村市・鏡石町・天栄村・三春町・(株)テダソチマ(須賀川市)
【県南】白河市
【相双】広野町・楢葉町(一般社団法人ならはみらい)・富岡町(一般社団法人とみおかプラス)・浪江町・葛尾村・新地町
【いわき】いわき市(IWAKIふるさと誘致センター)
【その他団体】全日本不動産協会福島県本部・福島県情報産業協会・ふくしま連携復興センター・福島県就農ポータルサイト「ふくのう」事務局・福島県Fターン起業家創出育成事業事務局・福島県市町村行政課・ふくしまチャレンジライフ推進事業事務局
詳細https://www.fukushima-kurashi-shigoto2021.jp/
主催福島県地域振興課
共催認定NPO法人ふるさと回帰支援センター
運営株式会社UNCHEF(アンシェフ)

いわしろMaisonのブースには、事前予約のお客様を含めて13組が訪れ、その他に、椅子が空かなかったため立ち話での対応となった方も3組ほどあり、合計16件ものご相談を受けました。昼の休憩をする余裕もないほどの盛況ぶりでした。他のブースでは福島市、会津若松市、会津美里町などのにぎわいが目立っていましたが、いずれも移住希望者の注目度が高い市町なので、これらは想定内。一方、移住相談フェアに初参加、ほぼ無名の小規模な任意団体いわしろMaisonの健闘は、想定をはるかに超えるものだったと思います。

わざわざ足を運んでくださった皆様、ありがとうございました。
主催・共催・事務局の方々にも大変お世話になりました。

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いわしろMaisonのブース。山崎清典さんと武藤琴美さんが相談者に対応しました

あくまで筆者の印象ですが、この日に受けたご相談には、次のような傾向がありました。
①相談に来られたのは大半が若年層だった
②若い単身女性が数人いらっしゃった
③就農希望者がゼロだった
④就職ではなく自営や起業を希望する方がほとんどだった
⑤定年後ご夫婦で…という方(上の写真のような)もあった一方、東京での仕事に見切りをつけて…という20代・30代が数組いらっしゃった
⑥福島県へのUターンやJターンが目立つ一方、山形県、奈良県、広島県など他県・遠地の出身者が数組あった
⑦地域おこし協力隊の制度を利用した移住に興味をもつ方が2、3人いらっしゃった
➇東京・福島の二拠点生活を希望される若いご家族がいらっしゃった
⑨慣行農業ではなく有機農業・自然農法などへの関心を持つ方がいらっしゃった
⑩住宅については、空き家を購入するのではなく「借りたい」という方が圧倒的に多かった

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移住を希望する高齢層の動機が「自然のなかで」「悠々自適」「晴耕雨読」あるいは「余生」や「終の棲家」などを連想させる内容であるのに対して、若年単身者の場合は「コロナ禍を経験して、東京で働く意味が薄れた」「現職でやりたかったことは達成できたので、もう東京を離れたい」「このままいって管理職に昇進して自由を失うのを避けたい」「福島でもネットワークを利用すれば東京と変わらない仕事ができそう」などという声も。
時代を反映した、イマドキの諸事情。リモートワーク、多拠点生活、ライフスタイルの多様化、ワークライフバランス、ミニマリズム、シンプルライフ、オーガニックライフ…などなど、移住相談を受けるこちらのほうが、さまざまな問題意識を呼び覚まされるようでした。
そうかと思えば、「都会のギスギスした人間関係がつらい。人間嫌いになってしまった」とか、「大学進学のため東京に出たけれど、いつかは福島に戻りたい。戻るなら今かなぁと思って」…といった生々しい声もあって、胸がじんとしました。

フェアの会場内には各ブースの来場者数が張り出されていました(事前予約が青シール、当日申込が赤シール)。いわしろMaisonは表のほぼ中央

いわしろが、真摯な相談者の方々のご希望にかなう場所であってほしいと思います。よいご縁が結ばれてほしい、若者を含め、いわしろでの生活を楽しむ仲間が増えてほしい…と願うばかりです。
とはいえ、住宅のこと、仕事と生活費のこと、学校や病院のこと、運転免許やクルマのことなど、移住には現実的な課題がつきまといます。ブースであれこれお話をして紹介冊子の束をおわたししても、実際に現地に来てみなくてはわからないことのほうが多いはずです。相手が誰であれ、まずは当地に来て見てもらうことがマストで、具体的な相談はそれからです。
ですから、いわしろに興味を持たれた方には、「いちど泊まりがけでいらしてみてください」とご案内し、フェアの後すでに当地を訪れた方もあります。また、近々来訪を予定されている方々もいらっしゃいます(コロナの感染拡大が悩ましい状況ですが…)。

そうはいっても、移住フェアでの相談件数の多さを、本来の意味の「成果」にしていくには、今のいわしろには足りないものがあると感じます。ひとつは、一定期間、格安で滞在できる「移住おためし住宅」。もうひとつは、ヨソモノ・若者でも借りられる「賃貸物件」です。
「移住おためし住宅」は全国的に多くの市町村が独自の規約を設けて取り組んでおり、成功例が多々見受けられます。いわしろにもぜひ導入してほしいものです。移住が決定した人を対象とする補助金や低利貸付などはあるのでしょうが、そうした施策の前段として、「仮移住」を補助してもらえたら、いわしろに滞在しながら余裕をもって住宅を探せると思います。
また、必ずしも戸建て住宅(空き家)を自費で購入できる人ばかりではありません。そもそも若年層では「家を買う」という発想がなかったり、経済的に不可能だったり…というケースも多いでしょう。それでも、「賃貸ならとりあえず住んでみたい」と思う人はいます。住んでみて気に入ったら定住する、という考え方です。
空き家はあっても貸せない、売れないというケースが多いのが田舎の現状ですが、地縁のないヨソモノ、若年者、いわゆる安定した従来型の勤め人ではない人にでも、一定の条件のもと、手ごろな賃料で家を貸してもらえれば、移住のハードルはかなり下がるだろうと想像します。

転入者を求める地域と移住希望者とのマッチング、空き家と住み手のマッチングがスムーズにできたら、社会課題の解決への糸口になります。
いわしろMaisonに関心をもってくださる方がこれほど多いなら、どうにかして、これらの方々をひとまず当地にお迎えできる仕組みを編み出していけないものか…と考えずにはいられないフェア出展でした。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: ふぇあ8-1024x768.jpg

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