岩代地域の百目木は、近世の頃に宿場町として賑わった歴史のある小さな街です。ここで伝統の味にこだわりながら和菓子作りを続けている「ひがしや」さんを訪ねました。
地元で1軒の和菓子店。懐かしい味を求めてやってくるお馴染みさんも少なくありません
「ひがしや」(東屋菓子店)の現在の店主は2代目です。祖父から和菓子作りを教わった店主の父が、今から50年ほど前に百目木に引っ越してきたのが始まりだそうです。

「伝統の味を」というこだわりから祖父から父、現在の店主へと代々受け継がれた製法を守り続けています。そして、お店の一番の魅力は上品な味わいの〝あん〟です。北海道の十勝産の小豆を長時間煮て、ふっくらと炊き上げた小豆から「ひがしや」の〝こしあん〟と〝つぶあん〟が生まれます。
和菓子は常時10種類以上。季節感を味わえる和菓子も時折、加わります!
ショーケースに並んでいる商品の多くは、祖父の代から作られてきたという懐かしい味。こしあんが使われている和菓子だけでなく、つぶあん、白あんの商品もあります。
お店を訪れた3月上旬にはひな祭りやお花見の季節に向けて、ピンク色の「さくら餅」が並んでいました。


桜の葉っぱの香りとほどよい塩味、こしあんの甘味が調和した季節感あふれる和菓子です。なんだか桜の季節が待ち遠しくなってきました。。。
3月の彼岸頃には「団子」(あん、みたらし)、4月20日頃~5月には「柏餅」、夏には「水まんじゅう」(塩レモン味、こしあん)、10月中旬~12月初旬には「大福」が加わります。和菓子で季節を感じる。。。「日本人に生まれてよかった」としみじみ思います(笑)。
昔懐かしい和菓子に加え、県立自然公園日山にちなんだ和菓子もあるんです
まずは昔からある和菓子を紹介します。こしあん好きに一番人気は、たっぷりとあんが詰まった「まんじゅう」。つぶあん入りの「どら焼き」、半月型でこしあん入りの「カステラ」、上品な甘さの白あん入りの「最中」、栗の形をした「栗まん」などがあります。

岩代のシンボル、日山が県立自然公園に指定されたのを記念し、新たなお菓子も誕生しました。
その名も「ひやま富士」と「山つつじ」。山のシルエットの「ひやま富士」は、「富士山が見える北限の山」として20年以上前に日山が新聞で紹介されたことにちなんで名づけられました(今は北限の山はさらに北に移っています)。そして「山つつじ」は、日山が山つつじの名所であることから名づけられました。どちらも白あん入りで、「山つつじ」には栗が丸ごと入っています。
年配層の根強いファンが多いのが、羊羹やらくがん、飴玉などです
次に比較的年配のお客様に支持されている和菓子を紹介します。
第二十三回全国菓子博覧会にて金賞を受賞したことのある「本練羊羹」。プラスチックの袋から取り出し、羊羹を竹の皮に包んでおくと砂糖が固まって表面が固くなりますが、「この味を探していたんです!」という遠方からのお客様もいるそうです。

「志ほがま」は砂糖を固めたらくがん風の和菓子で、しその香りと甘さのハーモニーが美味しさの秘密です。こちらも定期的に購入していくお客様が多いそうです。

「東屋の黒玉」「東屋のしょうゆ玉」と名付けられた飴玉2種も根強い人気です。近くの道の駅「さくらの郷」にも置いていますが、「懐かしい味」と感じて購入する人が多いそうです。
若い世代にも好まれる「ひがしや」の新名物「ちびまん」もおすすめです!
和菓子よりも洋菓子を好む傾向のある、若い世代にも人気のある和菓子を紹介します。

その名も「岩代 東や ちびまん」。カロリーを気にする女性にも好まれる理由は、1個1個がミニサイズなこと。「ちょっとだけ甘いものを」というときに、1、2個つまむだけで満足感が得られます。ちなみに、ふだん甘い物を食べない知り合いの大学生の男子も、このちびまんは大好きなんです。
黒糖の香り、しっとりしたこしあんと薄皮の食感がたまらなく美味しいので、ぜひ一度食べてみてください。大人数集まる場所へのお土産にも喜ばれそうです。
和菓子だけでなく、洋菓子やパン、スナック菓子やドリンク類も販売しています
こちらのお店ですが、ヤマザキショップと提携していますので、和菓子だけでなく、別にシュークリームやケーキなど洋菓子が並ぶショーケースも置いています。菓子パン用の棚もあって食パンなども購入できますし、清涼飲料水やお茶などドリンク類やアイスクリーム類も販売しています。


小中学生の子どもたちに喜ばれそうなキャンディやスナック菓子も色々あります。
百目木で数少ないお店なので、日用雑貨も置いています
さらに日用雑貨類のコーナーもありますから、ちょっとしたお買い物にとても便利です。私もその一人ですが、百目木や田沢方面に住む人にとって普段の買い物は川俣町や田村市などで車で20分以上かかるので、「ひがしや」という地元で頑張ってくれているお店の存在をとてもありがたく感じています。
時折、お店のそばを通ると甘い香りが漂ってくることがあります。そんなときは「どら焼き」と「カステラ」の皮を焼いている時ですので、ぜひ作り立てを味わってみてください(笑)。
<ひがしや(東屋菓子店> 二本松市百目木字町220 ☎0243-56-2414 □営業時間:7時~19時頃 □定休日:不定休
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